私は、トヨタグループ上場企業の技術部に在籍し、「TPS」も学び、生産性向上の「カイゼン」も多く手がけてまいりました。現在はお客様の支持を得て、省エネ、高効率の環境配慮型カイゼンを中心にコンサルティング活動を行っております。設計最高責任者として220台を超える設備を設計、製作をした経験併せて生かし、設備面から得た「効率化」、トヨタ流の「ムリ・ムダ・ムラ」の削減、「ECO」に関する提案・実行のお手伝いをさせて頂いております。
カイゼンではトヨタ流が一般的ですが、弊社ではプラスもう一つ「手段と目的」に関して強く提案していきたいと思います。あくまでも設備によるカイゼンも「手段」であって、「目的」ではありません。
「目的」のための「手段」を理解して頂き、韓国の優良中小企業にも、また、日本国内の優良企業にも小職が経験して得たノウハウを設備面だけではなく、良きパートナーとしてコンサルティングをさせて頂ければ幸いと思っています。
ものづくりコンサルタント
鈴木康嗣
カイゼン・コンサルティングの主な流れ
■ はじめに
数年前より韓国の企業の方々が、日本のトヨタ及びトヨタグループ各社へ「TPS」(TOYOTA Production System)のセミナーを受講するため訪日されていらっしゃいます。しかし、受講者の中には「実際にどのように適用したら良いのかわからない」とか、「TPSの本質自体がわからない」と言われる方々もいると聞いております。(例:カンバンの意味、価値、方法がわからない等)
これらの企業先または、まだ受講していないが取り入れたい企業先に赴いて、セミナーの様な一方的なコンサルではなく(講師と受講生の間柄ではなく)、実践的なコンサルをする、つまり、製造・非製造の部署を問わず現場に赴いて具体的なコンサルをして成果を生み出し、利益に反映する事を主眼においた活動をする事が重要だと思います。訪日して頂く手間を省き、我々が直にコンサルする事の方が効率的ではないかと思います。
■ 「TPS」とは?
「TPS」とは、「生産性の効率化と原価低減」、「JIT(ジャスト・イン・タイム)」、「自働化(ニンベンの働)」の三本柱で構成されています。よって、「ムリ・ムダ・ムラ」、「効率化」、「ECO」のこれらも包括するのが「TPS」です。
昔は、大量生産・大量消費の時代で、大量に生産し在庫を抱えても売れた時代でしたが、現在は御承知の通り多品種少量生産が当然の時代です。
必要以上の作り過ぎは不必要な材料の購買、過剰な部品の在庫、電気・石油等のエネルギーの浪費、通し箱の様な物の増加、材料・部品をストックしておく倉庫や敷地の増加、不良品や生産のために出た排出物等・・・・・大変ムダなものを発生させます。ムダを発生させると言うことは、経費が増加すると言うことです。
まだ、日本でも韓国でも下記の様なことがまかり通っていると聞いております。
- 大量生産の方が安い
- 大量購入の方が安い
- 在庫は優良資産
- 最新設備を導入する方が生産性は向上し、利益に直結する
一見するとこの方が利益は増加する様に思えますが、「TPS」ではこれを否定しています。
「必要な時に、必要な物を、必要な数だけ作り買う」、「既存の設備を使い勝手の良い様にカイゼンし、償却期限を過ぎた設備に関しても保全をし、工夫して戦力として利用する」と言う考え方が基本となっています。
当社の納めた数々の設備も、顧客がこの「TPS」の考え方に基づき、必要に迫られて導入しています。そして、「TPS」を推進した結果、効率化が進み人材が余ってもその人材を別の部署に配置転換して有効活用し、新たな利益を生み出すことが重要なことだと言われています。(決して、人減らしのためのシステムではありません)
小さな事からコツコツ地道に行うことが、結果的に利益を生み出すことを理解して頂くことが必要かと思います。それらは「行動」しない限り「結果」は生まれず、自ずと利益も生まれないと言うことだと思います。
■ 具体的には
様々な事業内容、社風(企業文化)、規模等があるため「これだ!」と言う明確なことは言えませんが、下記の内容を御提案させて頂ければと思います。
- 物流改善(例:梱包資材等の改良により、トラック1台に積載する量を増加させ原価低減を図る等)
- 製造におけるリードタイムの短縮(例:オートメーション化とか段取り換えの短縮等)
- 設備の信頼性向上(例:予防保全による稼働率の向上等)
- 品質向上改善(例:不良品を作らない工程管理、または流さないための検査機の導入等)
- 人材育成(例:継続的に「TPS」活用を行っていくための人材育成等)
上記の内容は、Q(Quality)C(Cost)D(Delivery)に連結するため、非常に重要なフレームワークです。(「TPS」でもこの、QCDは最重要項目です)
■ コンサル実績例
- 生産ラインの見直し(ライン構成改造)による生産率向上のコンサル
- →30%の人件費コストダウンを達成(2回訪問/月、3ヶ月間)
- 工場の敷地面積当たりの売上率向上のコンサル
- →製造現場敷地内の生産に不必要な「ムダ」な場所を「カイゼン」することにより、新たな優良敷地面積を生み出し、新規設備を設置して売上向上を達成(2回訪問/月、3ヶ月間)
- 油・空圧機器からオール電動機器に変更する設備を納入
- →年間電力費の約50%削減を達成と共に、低騒音化を実現し、労働環境の「カイゼン」に貢献(ECO効果大)
- 新設ラインに自動検査機&部品箱詰機を納入して、コストダウン化と品質保証の向上に貢献
- →不良品の流出防止により、顧客の信頼度アップと自動機にしたことから約4人分の人件費コストダウンを達成
など多数。
■ コンサルの金額について
- 1ヶ月に1回韓国企業を訪問にて3ヶ月間の契約
- →130万円(初歩的な「TPS」導入のコンサル)
- 現場における指導と実施された内容の評価・改善のコンサル
- 1ヶ月に1回韓国企業を訪問にて6ヶ月間の契約
- →300万円(「TPS」に基づく効率化向上のコンサル)
- 上記内容と共に、具体策提案による効率化向上(=利益向上)のコンサル
- 1ヶ月に2回韓国企業を訪問にて6ヶ月間の契約
- →800万円(製造工程「ECO」のコンサル)
- 効率化を進めると同時に、「ECO」に関しても指導するコンサル
■ 最後に
私は、トヨタグループ上場企業の技術部に在籍し、現場で「TPS」も学び、生産性向上の「カイゼン」も多く手がけてまいりました。ものづくりは奥が深く、セカンドオピニオンとして小職のように外部の人間がお役に立てる部分も多々ございます。今、不況かどうかと言われると決して楽に仕事が出来る時代では無いと思います。この様な時代を乗り切るには不況のせいにするだけではなく、原価を見直すことや、効率を高めることが大変重要かと思います。景気の良い時に本来すべきことなのですが、その様な時にはなかなか実行しないのも事実です。いつ景気が回復するかわかりませんが、その時、V字回復をするためにも必要な事だと思います。
「TPS」を韓国の企業先でも活用して頂ければ、日本の企業先にもPRが出来、ビジネスとしても妙味があるのではないでしょうか。もし、宜しければ熱いパッションを持ってご一緒にものづくりを推進してまいりたいと存じます。